G-ガイド #09 VoC (Voice of Customer) とは

Gainsight社の豊富な資料の中からカスタマーサクセス初心者に向けたガイド “The Essential Guide” の和訳版を「G-ガイド」と名付けてシリーズでお届けします。

 

#01 カスタマーサクセスとは
#02 チャーンとは
#03 カスタマーサクセスの指標とは
#04 カスタマーライフサイクルとは
#05 カスタマーサクセス予算の立て方
#06 ハイタッチなカスタマーサクセス(前編)
#06 ハイタッチなカスタマーサクセス(後編)
#07 四半期ビジネスレビュー(QBR)とは
#08 パートナーサクセスとは
#09 VoC (Voice of Customer)とは  ←今回これ

 

注:Gainsight社の許可を頂き原文の和訳を紹介します。


 

第1章 VoCとは

Voice of the Customer(VoC)とは、簡潔に言えば文字通り「カスタマーの声を聞くこと」です。カスタマーからフィードバックを収集して理解するプロセス全体を指し、その結果はプロダクトやカスタマー体験の改善に直結します。

 

「そんなの、ぜんぜん新しくない! 私たちは長年カスタマーの声に耳を傾けてきた!」とお考えの方も多いでしょう。おっしゃる通り、カスタマーからフィードバックを収集してニーズを理解する、という点は決して新しくありません。

 

しかし私たちのいうVoCはとりわけ対策(アクション)を重視し、カスタマーの声をプロダクトやカスタマー経験の改善に直結させる点でとても斬新です。

 

カスタマーからフィードバックを収集すること自体は、歴史的にも事業成長の基本の「き」でした。

 

一方、単に「データを取集する」から「個別データを収集する」へ焦点が移ったのが「VoC」です。つまり、カスタマーとのやりとりを完結させることを重視し、カスタマーのフィードバックがプロダクトやサービスに反映されたことをカスタマーに示す所までをカバーします。

 

VoCプログラムが理想的に展開されている組織は、会社の組織全体がカスタマーのフィードバックを反映し活用することを前提に構成されています。VoCの結果をうけ、会社全体の戦略が構築され、あらゆる部門が協力して問題解決に取り組みます。結果、カスタマー体験がとても良いものになり、課題が解決され、事業が大きく成長します。

 

第2章 VoC が重要な理由

VoCは、カスタマーが心から渇望し時間とお金を投資し続けたくなるプロダクトやサービスを開発するために必須なものです。 VoCは単にデータを収集すること自体ではなく、データを理解し行動することに重点を置きます。

 

なぜでしょう?

 

カスタマーが問題を抱えていると分かれば、問題の根っこの理解が目的となりますす。また反対にカスタマーがプロダクトに楽しさを見出していれば、楽しさを拡げる方法を知りたいでしょう。

 

VoCは、単にアンケートを送り、カスタマーの良い反応を期待することを意味しません。

 

例えば、もしあなたが体操選手のチャンピオンになることを夢見てトレーニングコーチに大金を払ったとしましょう。あなたは、もしフォームが間違っていたらコーチが教えて正してくれることを期待しますよね? 改善するためには建設的な批判が必要だから当然のことです。

 

VoCも同じです。特にVoCで成功している事例では、ただ単に良い回答を得ることを意図した質問(それも時に役立つかもしれませんが。質問の設定方法は後に紹介します)でなく、現状の原因を深くほり下げられるような質問を工夫しています。

 

カスタマーは、価格に満足しているか?プロダクトを使うのに問題を抱えているか? サービスを利用することで生活は楽になったか? 楽になるどころか、イライラさせていないか? などなど。

 

カスタマーの回答はすべてハッピーなものではないかもしれませんが、何を変える必要があるか気付きを得ることができます。

 

” もしあなたが魔法を使えて、カスタマーが欲しがっているものを正確に理解し、夢のようなプロダクトを安く手に入れる方法を知っていれば、確実にお金持ちになれるでしょう。つまり、カスタマーの本音の声にたどり着くことは、金脈を掘り当てるようなものなのです”
– Voice of Customerの著者、カイ・ヤン:キャプチャと分析

 

VoCに本気で投資している会社は、あらゆるカスタマーの声を聞き、その声に回答・対応し、データを分析し、プロセスを改善します。

 

カスタマーの声に注意を払い、貴重なフィードバックにきちんと対応すれば、重要な課題を早めに解消でき、将来のカスタマーが増えるので、フィードバックの価値を最大限に活用できます。

 

逆にVoC戦略がなければ、満足してるカスタマーの声を活用したり不満足なカスタマーをなだめる貴重な機会を逃します。前者は新事業の機会拡大、後者はチャーン削減において重要な意味をもちます。

 

カスタマーはポジティブな対応にも、ネガティブな対応にも非常に敏感です。そしてどちらの反応も通常は長続きしません。

 

オラクル社によるカスタマー体験に関する調査から以下の点が明らかになりました:

・消費者の46%は、カスタマーの否定的なコメントに企業が対応したとき満足しました
・消費者の89%は、ひどいカスタマー体験を経験した後に、競合他社サービスへスイッチしました
・消費者の24%は、2010年、不満足なサービスを経験した後に、SNSでその酷い体験を共有しました

 

カスタマーサクセスにおける VoCの役割

もしVoCプログラムがカスタマーサクセスに結びついていないなら、そのVoCは完全に間違っています。

 

カスタマーサクセスは、プロダクトを使うことでカスタマーが期待する成果を達成できるよう支援することを意味します。一方、VoCプログラムで収集したカスタマーフィードバックは、この期待成果へよい影響を与えるため、VoCはカスタマーサクセス戦略の重要な構成要素になります。

 

VoCの価値に関するこの記事によると、最高レベルのVoCを展開する企業は次の成果を上げました:

・年間売上が対前年比10倍増加
・カスタマーリテンション率が55%向上
・カスタマーサービス費用が対前年比23%減少
・従業員のエンゲージメント率が292%向上

 

また、VoCプログラムはカスタマーサクセスチームの効率を大幅にひき上げます。さまざまなアプローチで収集したカスタマーフィードバックは、カスタマーサクセスマネジャーが効率的に仕事を進めるための貴重な情報源になります。

 

例えば次のような質問をしてみましょう:

・当社のプロダクトは使いやすいですか?
・当社のプロダクトはあなたに実質的な価値をもたらしていますか?
・あなたのサクセスはどう定義だれますか?
・その定義を達成するために、当社は何でお役に立てますか?

 

こういった質問への答えに基づき、課題に優先順位をつけ、基礎となる考え方を設定し、どうコミュニケーションすべきかを考えます。

 

カスタマーサクセスマネジャーは、各カスタマーにとってサクセスが何を意味するのか明確に定義し、達成に向けた戦略を立てます。

 

カスタマーサクセスは企業全体の取り組みであり、VoCは戦略に沿って作用します。あらゆる部門がカスタマーサクセスとVoCの重要性を理解することが重要です。 販売、マーケティング、プロダクト開発に至るまで全社的に取り組み、最初から最後までカスタマーに満足のいくジャーニーを提供することが重要です。

 

第3章 基本的な VoCプログラム

VoCプログラムには、データの収集から気付きの抽出、カスタマーライフサイクルの作業まで、幅広いタスクが含まれます。

 

私たちはVoCプログラムの3ステップ戦略を構築しました。このフレームワークに沿ってプログラムを実行すれば、組織的かつ迅速に行動でき、VoCの取り組みから大きな成果を得られることでしょう。

 

1. 聞く

カスタマーへ頻繁にフィードバックを求め、気づきを得ます

 

2. 行動する

速ぐ対策を講じてカスタマーへ「聞いてもらえた」感を伝えます。対応は早いほど効果も大きいです

 

3. 分析する

目標に対する進捗状況を常に評価し、改善状況も把握することでプログラムを順調に展開します

 

技術が進歩したことで、VoCプロセスは大幅に合理化されました。 VoC機能を兼ね備えたソフトウェアを用いれば、何千件ものカスタマーに一斉にアクセスしたり、一括して返答・データ集約したりなど、これまで難しかった作業の多くを自動化できます。

 

VoCデータは、カスタマーサクセスのソフトウェアと一緒に展開するとより強力です。VoCに基づき、個々のカスタマーの傾向を把握し、ヘルススコアをよりきめ細かく評価することが可能になります。

 

VoCアプローチの3ステップ

 

カスタマーとのやり取りを正しく完了し、より前倒しで課題を解決し、予測に基づいて高い価値を提供する、そのための3ステップをご紹介します。

 

ステップ1 聞く Linsten

ステップ1で集めた情報はVoCプログラムの成功を左右するため、「このステップは非常に重要です」と言うと誇張表現に聞こえますが、私たちは本気でそう言います。

 

有益かつ実用的なフィードバックを収集する鍵は3つです:適切な人に、適切な質問を、適切なタイミングで行うことです。

 

1)適切な人を見つける
VoCの成功事例によると、 アンケートを送信する前にまずはカスタマーのペルソナをきちんと定義することが重要です。標準的なペルソナを具体化することで、プロダクトに関わる人とその人とのやり取りレベルを適切に定義できます。そうすれば、あなたの質問に答えられる最適な人物を見つけたい時にもう悩む必要がなくなります。

 

結果、頻繁にやりとりしないCEOに対してプロダクトの使いやすさを尋ねてしまったり、プロダクトマネジャーに対して販売サイクルに関する質問をしてしまうことはなくなります。

 

2)適切な質問をする
ペルソナが正しく具体化されていれば、適切な質問を考えるはずっと簡単になります。経験則に基づくと、質問を考える際に常に意識すべき重要なことは、回答に対して解決策が準備されていて実行の意思決定をする意思がある問題だけを質問することです。

 

カスタマーにお願いするフィードバックの形は主に2つです:

 

・直接フィードバック
直接受け取るフィードバック。一般的にはアンケートの回答として入手します。たとえば、ネットプロモータースコアスコア、ライフサイクル通じたカスタマー満足度(CSAT)スコア、トランザクション単位のCSATスコア、コミュニティ投稿など。

 

・間接フィードバック
プロダクトの利用を通じ間接的に生成されるフィードバック。たとえば、プロダクトの利用データ、サポート関連データ、様々な行動指標など。

 

直接フィードバックと間接フィードバックを組み合わせることで、あるカスタマー個人のプロダクトに対する認識を全体的に把握できます。どちらか一方のフィードバックだけに頼っていた場合、残る空白が生まれますが、組み合わせることで一緒に機能します。

 

例えば、否定的なネットプロモータースコアスコアという形で直接フィードバックをした人について、それだけだとその理由がわかりません。しかし間接フィードバックを確認すれば、例えば彼/彼女がプロダクトのある部分に対して抱える複数の問題について解決を依頼中なことが分かるかもしれません。そうすれば、不満足の理由はプロダクトに関わるトラブルだと読み取ることができ、それに基づいて適切に会話を開始できます。

 

3)適切なタイミングで質問する
いつフィードバックをお願いするか、は誰に質問するかと同じくらいとても重要です。質問するタイミングは、受け取る回答に直接影響
する可能性があるからです。

 

カスタマージャーニーにおける重要マイルストーンに沿ってアンケートを作成しましょう。そうすれば、カスタマーを長時間不幸な状態に放置せずに済みます。たとえば、プロダクトの実装が完了した直後などです。実装が完了してから数日以内にアンケートを送信し、実装プロセスに関する現在の気持ちと、プロダクトの運用を自走することにどれくらい自信があるか確認しましょう。

 

もう1つ一般的な方法は、サポート案件すべてに関し、サポートが完了した都度、質問をすることです。そうすることで、受けたばかりのサポートに満足しているかどうか、加えて何らかフォローが必要かどうかを把握できます。

 

以上のステップ1により、ペルソナが具体的になり、どのようなフィードバックをお願いすべきかが決まり、いつどう聞くかの方法も具体化できました。

 

次のステップに進む前に、忘れてはいけない大切なことをお話ししましょう。それは「VoC疲れ」、すなわちアンケート疲れです。アンケート送信回数が多すぎたり、アンケートの所要時間が正確に予測できない場合に起こります。

 

ペルソナを活用してアンケート周期を決めることで、適切な人に適切な間隔でフィードバックを求めるようにしましょう。アンケートの質問が長い場合、所要時間の目途を提示し、今どのあたりかが分かるようにしましょう。こういったベストプラクティスを踏まえないと、カスタマーはアンケートを無視し、あなたは何も聞くことができません。

 

ステップ2 行動する Act

 

次のステップは、カスタマーへの価値提供です。ここで言う価値提供とは、多くの人たちの承認を得て年度計画に落とし込まなければならない長期プロセスを必要とするものではありません。VoCにおける価値提供とは、草の根レベルで即もたらされるものです。

 

たとえば、迅速な対応、強力な戦術、企業理念の共有などを経験として提供し、自分たちの声に耳が傾けられそれが施策に反映される、ということを事実としてカスタマーへ納得してもらうことです。

 

フィードバック入手後すぐに対策を講じる

 

VoCのベストプラクティスに基づくと、「カスタマーとのやり取り完了」が明快になるコミュニケーションをすることが重要です。即ち、カスタマーが入力したあらゆる内容は、すぐ認識・確認され、直ちに解決されなければならない、ということです。

 

要は、カスタマーとのやり取りを完了するのにステップ3まで待つ必要はないということです!

 

カスタマーの反応が肯定的であれ否定的であれ、迅速に対応することで、その好影響を最大限に活かしましょう。カスタマーの肯定的な反応に未回答の状態でいることは、否定的な反応に対して未回答なのと同じくらい非常に無意味ないことです。

 

ネットプロモータースコア的に言えば、肯定的なプロモーターは、あなたのプロダクトの貴重な口コミ者です。彼らの口コミに火が付いているのに、感謝されるまでの時間が長ければ長くなるほど、彼らは直ぐにパッシブ、さらにはデトラクターになる可能性が高くなります。

 

カスタマーをセグメント分類してハイタッチ/ロータッチモデルを使い分ければ、カスタマーへのアウトリーチ完了が容易になります。

 

リンカーン・マーフィー氏のブログ記事では、ハイタッチとロータッチの違い、および双方向アプローチのメリットなどが分かりやすく説明されています。要は、高レベルのコミュニケーションが必要な重要アカウントのハイタッチ系カスタマーには1対1で注意を払う必要があり、一方そこまで高レベルのコミュニケーションが必要でないロータッチ系カスタマーには1対多のコミュニケーションで効果的にコンタクトできます。

 

カスタマーとのやり取り完了に役立つリソースを用意しスケールを効かせる

 

VoCに関する記事を読むことと実行することは全く別物です。不幸なカスタマーに1日中ガミガミ叱られるのは、誰にとっても楽しくありません。チームメンバーに1日中そうするのをお願いするのは更に厄介です。ですので、VoC手順書やチームが活用できるベストプラクティス集を作成し、 フィードバック入手を合理化することを強くお勧めします。特に急増中のカスタマーへのアウトリーチを標準化したい場合、非常に効果的です。

 

チームメンバーにできるだけ多くのリソースを提供し、VoC手順書とアウトリーチ戦略を強化しましょう。例えば、CRMソフトウェアなどは無数の機能を備える貴重なツールです。そういったリソースを活用し、アウトリーチを担当するチームに対してカスタマーのヘルス状態に関する気付きを与えれば、それをカスタマーとの会話のキッカケとして活用してもらえます。

 

対策を打とうとした時、本能に頼る代わりに事前準備された電子メールフォーマットを活用できれば、チームメンバーは自信をもって対策を実行し、さらに時間も短縮できます。また、サポート文書を整理して簡単にアクセスできるようにすれば、それを必要としているカスタマーに対し適切な文書を迅速に共有できます。

 

フィードバックを評価するカルチャーを醸成する

フィードバックが現実へしっかり反映されるには、セールス、サービス、プロダクト開発ほか含む会社全体が「VoCは最優先されるべる重要なもの」と認識し行動する必要があります。このようなカルチャーの醸成は、既存企業にとって大変難しいことですが、非常に重要で必要不可欠なことです。

 

慣れ親しんだ思考と行動を変えるには、経営陣の奨励が鍵です。あらゆる部署がフィードバックの重要性に対する認識と対策を講じる動機をもつ必要があります。一旦これを実現できれば、あとは標準プロセスを設定することでフィードバックがスムーズに流れます。

 

ステップ3 分析する Analyze

カスタマーフィードバックのプロセスが完了した後には、ちょっとしたデータが手元にあるはずです。説明を単純化するため、ステップ3は「ビジネス分析」、「アウトリーチ分析」、「プログラム洞察」の3つに分けて説明します。

 

ビジネス分析

会社として追跡しベンチマークしたいあらゆる指標に基づいた分析です。完全に社内活用が目的です。担当チームをきめ、彼らに報告を求め、結果に責任を負ってもらいます。

 

たとえば、ネットプロモータースコアのトレンドやフォローアップ応答時間などです。ネットプロモータースコアスコアを四半期単位でトラッキングし変化を確認するとよいでしょう。

 

アウトリーチ分析

カスタマーへのアウトリーチの効果を確認する分析です。業界ベンチマークと比較することで、アウトリーチを最適化できます。

 

たとえば、アンケートのパフォーマンス、受信者数、送信された/不達だった/クリックされた電子メールの数、受信拒否数などです。直接フィードバックと間接フィードバックを組み合わせ、主観指標と客観指標に基づき全体ヘルススコアを算出します。ヘルススコアを把握することで、カスタマーのヘルス状態を大局的に理解し、リスクあるカスタマーを用意に特定できます。

 

もう1つ注目すべき重要指標は、アンケートに回答しなかった人の数です。無回答数が著しく多くないと見落とされがちですが、無視してはいけません。むしろ深く掘り下げてください。もしかしたら質問を変える必要があるかもしれません。

 

または、あなたのプロダクトを全く使っていない人たちのかたまりが存在する可能性があります。アウトリーチ分析の結果は非常に強力で、何かを常に物語ります。豊富な気付きを集め、データをさまざまな角度から観察しましょう。

 

プログラム洞察

ビジネス分析とアウトリーチ分析の両方から得られる洞察です。この洞察に基づき、全社戦略を磨きこむ戦略的優先順位を特定しましょう。

 

たとえば、テキストベースの回答は、非常に貴重ですが大規模な分析は困難です。Gainsight社のツールのようなソフトウェアを使えば、フィードバックのトーンや意図を解析し抽出できます。テーマを特定しこういった技術を使うことで、カスタマー体験の全体像をより深く把握しましょう。そうすれば学習した内容を戦略に活用し、その結果を追跡することができます。

 

第4章 Gainsight流 VoC

Gainsight社のVoCは単なるアンケートビルダーではありません。大小さまざまな規模の企業がカスタマーとやり取りし、フィードバックに対応し、優れたカスタマー体験を積極的かつ一貫して提供するのに必須のアプリケーションです。

 

Gainsight社のVoCプロダクトを活用することは、洗練されたカスタマーサクセス戦略を展開する上で最初に取り組むべきステップの1つです。なぜなら上述の3ステップ(聞く、行動する、分析する)に沿って開発されているためです。

 

聞く

Gainsight社のツールは、カスタマージャーニーを視覚化し、これに高度な自動化プロセスを組み合わせることで、特定トリガ毎に個別化されたアウトリーチを大規模に実施します。反応率が高く、結果として深い洞察に富んだフィードバックを収集します。

 

・CRMデータとGainsightの視覚的なジャーニーを組み合わせ、適切な人に適切な質問を適切なタイミングで実行する

・アンケートの回答に基づき、 事前に計画した人プロセスと自動プロセスとを柔軟に駆使することで、大きなインパクトを得る

・サーベイビルダー機能を使い、NPSやCSATなどさまざまなアンケートを作成・送信し、きめ細かなパーソナライゼーションと電子メール内の質問フォーマットを使い、より高い応答率を達成する

 

行動する

Gainsight社の組織横断的な手順書に基づき、カスタマーの満足度とリテンションをひき上げ、アップセルとクロスセルの機会を顕在化させる。

 

他社のVoCサービスと異なり、Gainsight社のVoCプログラムは、現場チームに、彼らが既に使用しているツールであるSalesforce内のカスタマーのフィードバックを直接可視化することができます。そうすることで、コアプラットフォームから直接カスタマーのフィードバックを確認し、対応することができるようになるにつれて、現場チームの行動が促進されます。

 

自動化されたCTAや手順書の機能を備えた組織横断的で強力なワークフローによって、カスタマーアウトリーチから推測を排除することができます。

 

電子メールアシスト機能が事前に入力された電子メールテンプレートを提供するため、現場チームは大規模にカスタマーとやりとりをすることができます。

 

分析する

強力なレポート機能により、ビジネスのトレンドを特定し、フィードバックプログラムを最適化し、戦略的投資に優先順位を付けること
ができます。

 

ダッシュボード機能は、企業の視点から行動喚起(CTA)の完了を報告し、役員に内部のアウトリーチ活動の洞察を提供し、チームメンバーには目標とベンチマークを提供します。

 

ネットプロモータースコアのテキスト分析によって、ネットプロモータースコア調査の中で繰り返されるテーマに対するカスタマーの感情をより深く理解し、そうでなければ失われる可能性のあるデータを明らかにすることができます。

 

フィードバックファンネル分析では、調査の結果データを確認できるため、迅速にフィードバックリクエストプロセスを改善する機会を提供できます。

 

事例:Adobe社が3ステップのVoC戦略でオンボードプロセスを改善

 

” Gainsight社のツールを使うことで、価値ある食物連鎖を掘り下げることができ、大胆な決断を下すことができています”
– ドミニコ・バッテート、Adobe社の新カスタマー体験のプログラムマネージャー

 

オンボーディングは、カスタマージャーニーの中で特に重要なタイミングです。オンボードプロセスが脆弱だったり、まったく存在しないということは、カスタマーに指示書なしで組み立て前の家具を渡すようなものです。部品が手元にあっても、ぐらついたテーブルができあがると、そもそもなぜそれを買ったのか疑問に思うでしょう。

 

Adobe社は、カスタマーにできるだけ丈夫なテーブルを作ってほしいと思っていました。しかし既存カスタマーの数が膨大なため、各カスタマーの感情追跡は非常に困難でした。カスタマーがオンボードを上手く完了できたのか、それとも無駄な木片を持ったまま途方に暮れているのかも知り得ませんでした。そこでGainsight社のツールを採用し、「聞く」「行動する」「分析する」ための戦略を構築し、VoCの取り組みを強化し、オンボード戦略を改善しました。

 

こちらでケーススタディの完全版をご覧になれます。

 

(原文)

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