G-ガイド #06 ハイタッチなカスタマーサクセス(前編)

Gainsight社の豊富な資料の中からカスタマーサクセス初心者に向けたガイド “The Essential Guide” の和訳版を「G-ガイド」と名付けてシリーズでお届けします。

 

#01 カスタマーサクセスとは
#02 チャーンとは
#03 カスタマーサクセスの指標とは
#04 カスタマーライフサイクルとは
#05 カスタマーサクセス予算の立て方
#06 ハイタッチなカスタマーサクセス(前編) ←今回これ

 

注:Gainsight社の許可を頂き原文の和訳を紹介します。


 

第1章 ハイタッチ ? それは芸術?それとも科学?

こういう発言をよく聞きます:

 

・”ハイタッチのカスタマーサクセスは、科学というより芸術です”

・”当社のハイタッチ担当のカスタマーサクセスマネジャーはカスタマーのことをよく分かっています。我々に定型のプロセスは必要ありません。”

・”当社のハイタッチカスタマーサクセスマネジャーは本当に経験豊富です。彼らに定型のプロセスは必要ありません。”

 

こういう意見を私たちは尊重しますが、同意は致しかねます。

 

戦略的アカウントに関する事実は以下の通りです:

 

1. 失敗する余裕はありません

投資家は戦略アカウントの契約更新率を95%以上と予想します。即ち、すべての契約がもれなく更新される必要があります。仮に6つや7つアカウントを失えば、その四半期は壊滅的な状況に陥るでしょう。アカウント単位の売上減少が許される余地さえありません。

 

つまり、戦略アカウントに解約リスクが生じたなら、それは確実に大問題です。

 

あなたの担当するハイタッチ対象のカスタマーについて、彼らのどんな些細な兆候にも気づき、細部含めて最新の事情を把握しましょう。

 

2. 政治的な複雑さをたくさん抱えています

戦略アカウント1社に対し、目に見えないシニアな利害関係者が数十人くっついています。これは、猫の群れを飼っているようなものです。組織的なアプローチで利害関係者との関係維持に取り組まないと、ジャングルで迷った感覚に陥ります。

 

3. 大口クライアントは、実は多数の中小クライアントの集まりなんです

皆さん、複数の事業部門横断型プロダクトをいくつも販売した経験がおありでしょう。関連部門には、サービス部門もあれば非サービス部門もあります。

 

表面的には1社向けハイタッチのカスタマーサクセスに見えますが、現実は、マネージャーあたりアカウント数の比率が恐ろしく高いカスタマーサクセスをするのと同じです。

 

4. 大規模なチェンジマネジメントが必須です

プロダクトを導入し活用してもらうために、具体的にどういう活動を推進し、どういうマイルストーンを達成する必要があるか、明確な海図をもつことが重要です。あなたが展開するチェンジマネジメントの方法論は、あなたの活動の生命線です。

 

5. カスタマーサクセスマネジャーを失うと想像を絶する悲惨な状態を迎えます

大口カスタマーは、レッドカーペットのような丁重なもてなしを求めます。彼らは、担当するカスタマーサクセスマネジャーを失うことが大嫌いですし、新任のカスタマーサクセスマネジャーには必要な情報をすぐ与えようとしません。

 

担当カスタマーサクセスマネジャーを失ったら、あなたは窮地に立たされます。カスタマーに関する知識を、担当者の頭の中だけにおくのでなく、出来る限り社内に記録として残すようにしましょう。

 

6. 大口カスタマーは自社の事業成果に責任をもって欲しいと思っています

上級職の仕事は忙しいものです。あなたの会社の誰もがクライアントが本当に望むことを忘れてしまう可能性があります。営業の段階で議論した目的は営業担当者のメモ帳に埋もれ、カスタマーサクセスマネジャーは常設ミーティングに縛られて全体像を見失いがちです。

 

よくある事態:非常に困難な状況に陥ります。それは、あなたの問題ですが、同時にクライアントの問題でもあります。しかし大口カスタマーは基本的にそう考えません。なのであなたは成果全体に責任を持たなければならないのです。

 

7. あなたの上司は同じ失敗を繰り返したくありません

上司はより職位が高い人なので、ルーティーン業務に時間を費やすべきでありません。上司は、有能な部下とあなたの援護を必要としています。そして部下1人ひとりから丁重に扱われることを期待しています。

 

8. 拡大なしは縮小を意味します

ハイタッチのアカウントに「現状維持」はありません。 より戦略的に、より大きくする方法を常に計画しなければ、カスタマーの成長戦略からあっという間に外されます。

 

9. 社内で猫を群れさせる(部門連携させる)必要があります

あなたの会社のカスタマーサポートチームに、問い合わせ案件の完了をただ目指すだけでなく、カスタマーへより高い価値を提供することに尽力してもらう必要があります。 プロダクトのロードマップに関する討議にカスタマーの声を反映させるには、プロダクトチームの協力が必須です。 サポートチームには、要解決案件の優先順位を付けてもらう必要があります。

 

カスタマーサクセスマネジャーは、このように複数部門を巻き込むために頭の中で対策をあれこれ思考しています。そして根回しする段階ではリーダーであるあなたの手助けを望んでいます。

 

以上のように、ハイタッチのカスタマーサクセスの定型プロセスをもつことは非常に価値の高い重要なことです。以降でその方法をご紹介します。

 

第2章 解約リスクの管理プロセス ー コール to アクション(CTAs)

Gainsight社では、”リスクへの行動喚起(Call to Actions; CTAs)” とスコアカードを使い、カスタマーとの関係に生じたリスクをどう管理すべきか議論しました。

 

戦略アカウントに解約リスクが発生した時、最前線のマネジャーだけが眠れない夜を過ごすべきではありません。CCO(チーフ・カスタマー・オフィサー)もまた、状況を認識しチームにアドバイスすべきです。

 

以下に、我々の大口クライアントに解約リスクが生じた時のCCOへの報告方法を紹介します:

 

ステップ1

部長とカスタマーサクセスマネジャーは週次で個別会議を持ちます。カスタマーサクセスマネジャーは事前に各自が担当するカスタマーの既存リスクを体系的に見直し、必要に応じて新しい「リスクCTA」を作成します。

 

CSツール内のCTAのタイムライン機能を使い、未解決の全リスクCTAに関する「更新ログを記録」します。

 

 

 

カスタマーサクセスマネジャーは全リスクについてこの作業を毎週行い、次の3つの情報を更新します。

 

(1) カスタマーの「温度」と気持ちの「方向」を含む現状の概要(つまり、彼らの私たちに対する気持ちが「温かい/うまくやっている」か、「冷たい/反応しないか状況が悪い」か)

 

(2) リスクに対処する最大限の努力としての行動計画

 

(3) 期待するマネジャーからの援助(もしあれば)

 

ステップ2

カスタマーサクセスマネジャーは、毎週水曜日の部長との個別会議前に、CCOへの報告が必要と思うリスクにフラグを立てます。

 

ステップ3

毎週水曜日の個別会議では、フラグが付いた全リスクを一緒にレビューし、対策について話し合います。

 

大抵はCCOへ報告せずに解決できますが、リスクが非常に深刻な場合はCCOに報告します。

 

その目的は2つです:
(1)どう対処したらよいかアドバイスをもらう
(2)CCOがそのリスクをどこまで認識しているか確認する

 

ステップ4

CCOへ報告する場合、「更新ログを記録」するタイムライン機能を使い、週次ミーティングの議論を更新してログに記録します。そうすることで、CCOがカスタマーサクセスマネジャーの意見だけでなく部長の見立ても併せて事前に把握できます。

 

ステップ5

部長は木曜日中に、リスクCTAの「CTA詳細」セクションをドロップダウンし、対象リスクを選択してCCOに報告します。このドロップダウンは 「[CCO名]に報告する」または「[CCO名]に報告しない」の2つのオプションを持つだけの非常にシンプルなものです。

 

 

 

ステップ6

金曜日、CCOは自分のコックピット内に報告されたすべてのリスクCTAをレビューします。

 

CCOの行動:
・必要に応じ更にクリックして、各リスクのタイムライン履歴と、チームの行動履歴を確認する
・アドバイスを入力して「更新」し、部長やチームへ共有する
・同時に自分の「タスク」へ追加し(タイムラインの「更新ログを記録」内の機能)、部長に対して行動計画や次のステップを通知する

 

こうしてCCOは全リスクのレビューを終え、対策指示を部長以下全チームメンバーへ速やかに伝えます。

 

なお、「CCO」を「CEO」や他の経営チームのメンバーに変えることは可能です。例えばGainsight社では、CEO、CFO、最高売上責任者(Chief Revenue Officer)が同機能を活用し、カスタマーサクセス責任者と並列してリスクを定期的にレビューしています。

 

プロセスがすべて!

お分かりですね。カスタマーサクセスではプロセスが何より重要です!上述した一連のプロセスは、「リスクCTA」機能を活用する週次プロセスとして非常に重要な意味を持ちます。

 

CCOが報告された全リスクに対し金曜日中に適切な指示を返すには、部長が木曜日中にCCOへ更新情報をアップし、そのためにカスタマーサクセスマネジャーは水曜日中に更新情報をアップして部長と打ち合わせを持つ必要があります。

 

 

第3章 ”政治的にとても複雑なんです” →スポンサー役員の仕組みとVoCプログラムを体系化しましょう

 

役員クラスの巻き込み:スポンサー役員の仕組み

カスタマーサクセスマネジャーは、カスタマーの部長クラスと日常的にやりとりすることが多いです。それは非常に重要な仕事です。

 

一方、会社同士の関係性の目標を設定し、契約更新の最終決定を下すカスタマーの役員幹部クラスと緊密な関係をもつことも、等しく非常に重要なことです。あなたの会社の経営メンバーが、カスタマーの役員幹部クラスと関わる機会を調整することで、チームメンバーを援護するエアーカバーを構築しましょう。

 

経営幹部訪問の目的は3つです:

 

1.各カスタマーの役員幹部クラスのパルスチェック(温度感の把握)をする

2.カスタマーの役員幹部クラスが高い関心を寄せている経営課題や計画について学ぶ

3.彼らにとり学びがあると思われる最新動向や成功事例などを共有する

 

3の例としては、プロダクトを最大限に活用するためのチームやプロセスの構築方法や、同じ課題に直面したカスタマーの事例からの学びなどです。

 

カスタマーサクセス責任者/VP(またはカスタマーに関わる他の管理職)が、四半期に1回ないし2回はカスタマーの役員クラスを訪問したり連絡することをお勧めします。あなたの上司は忙しいので、CTAでこれらのリマインダーを設定しておきましょう。

 

 

たとえば当社では、カスタマーサクセスVPは毎月、カスタマー数社に対するCTAリマインダーを受け取り、そのカスタマーの役員に連絡するよう促されます(これを「エグゼクティブ・チェックインCTA」と呼びます)。このCTAには、VPが必要に応じて編集してカスタマーに送信できる電子メールアシストによるタスクがタグ付けられています。

 

エグゼクティブ・チェックインが完了すると、VPはCTA経由でメモをタイムラインに投稿し、マイルストーンをドロップダウンして直近のチェックインを追跡します。

 

 

こういったプロセスことを続けていると、今期予定されるすべてのエグゼクティブ・チェックインと、完了ずみのエグゼクティブ・チェックインの数を追跡するダッシュボードを構築したくなります。そうすれば、チームメンバー1人ひとりが、VPの関与が必要な箇所を速やかに確認できます。

 

 

 

ボイス・オブ・カスタマー(VoC)プログラム

良く機能するボイス・オブ・カスタマー(VoC)プログラムを用意することは、ハイタッチのカスタマーサクセスにおいて非常に重要です。

 

VoCプログラムは単にカスタマーの声を聞くだけでなく、声が確実に正しく伝わり、それを踏まえた行動が取られていることをフォローアップする所まで含みます。そこまで行って初めて、プロダクトを活用するカスタマーの利便性向上につながるからです。

 

VoCの3ステップ:

(1) 聞く(リッスン):
カスタマーに対しフィードバックを頻繁にお願いし、意味ある意見(声)を受け取る

 

(2) 対策を講じる(アクト)
カスタマーの声が我々に届いていることを知らせるためにも速やかに対策を講じます。 カスタマーの意見に速やかに応じることは、何よりより大きなインパクトをもたらします。

 

(3) 評価する(アナライズ)
目標に対する進捗状況を評価し、改善度合いを測定し、プログラムを軌道に乗せます。

 

個別に少し補足します。

 

(1) 聞く(リッスン)

カスタマーのペルソナを開発する
カスタマーが私たちのような会社組織なら、利害関係者は1人でなく複数存在します。そのすべての利害関係者から確実にフィードバックを集めましょう。

 

利害関係者には少なくとも5タイプ(これを「ペルソナ」と呼びます)あります:
「ユーザー」、「管理者」、「チャンピオン(訳者注:プロダクトを使い倒してる人)」、「スポンサー役員」、「大ボス」です。

 

ペルソナ毎に、(1)あなたが彼らに提供してほしいもの、(2) そ代わりにあなたが彼らに提供できる彼らがハッピーになるもの、を丁寧に描写しましょう。

 

Gainsightツールでこれを実行するには、「連絡先」オブジェクトに新しいフィールドを作成し、各カスタマーの役割を記述してアップしてください。

 

カスタマーと関係を構築するには、できるだけ早く、例えば新規契約したカスタマーとのキックオフミーティングの前にこれらの情報を入力しましょう。なお、理想的なインプット時期は契約締結前のプレセールス段階です。

 

フィードバックを定期的な周期で聞く
Gainsight社では、6ヶ月ごとに CoPilotを介して、各カスタマーの全ステークホルダーに対しNPS(ネットプロモータースコア)調査を行い、結果をペルソナごとに切り分けます。

 

例えば、ユーザーのNPSは非常に高い一方でスポンサー役員のNPSは低かったとします。そういったNPSは非常に重要な意味をもちます。実際のユーザーはプロダクトを気に入っている上で、彼らが得ている価値を実感してもらうため役員へコンタクトすることが必要だということが分かるからです。

 

Gainsight社では、カスタマーとやりとりする部門ごとに切り分けて、NPSをフォローアップする質問を送信します。例えば、プロダクトチーム、カスタマーサクセスマネジャーチーム、マーケティングチームなどの部門ごとです。

 

部門別のNPSを公表すると、部門間に刺激が生まれ、カスタマー体験の向上に繋げることができます。

 

接触直後のサーベイで聞く
カスタマーのライフサイクルにおける重要なマイルストーンの直後、またはアフターサービスの終了直後に、カスタマーの期待に応えられたかどうかを評価するフィードバック調査を実施します。

 

・契約後60日経過後
契約締結から60日経た後に、営業責任者が決めたオンボーディング内容がカスタマーの期待に応えるものだったかフィードバックを得る調査を行います。

 

・オンボード後
オンボーディングが無事に完了した後に、オンボーディングが期待に応えるものだったかどうかのフィードバックを調査します。

 

・カスタマーサポート案件の完了後
サポート案件が終了した後で、サポート内容が期待に応えるものだったかどうかを判断する調査を行います。

 

(2) 対策を講じる(アクト)

カスタマーとのコミュニケーションが終わったら、それが肯定的な内容であれ批判的な内容であれ、直後にフォローアップすることが非常に重要です。

 

フォローアップは「もし?なら、その場合」手法で実施しましょう。

 

例えば、もしNPSが極端に低かったなら、関連する電子メール支援応答によるCTAを起動し、結果をフォローするための対話を同カスタマーへお願いします。

 

逆に、もしNPS(またはスコアのセット)が非常に高かったなら、マーケティング活動としてそのカスタマーに社名と共に活用事例へ協力してもらえないか尋ねてみます。

 

 

 

(3) 評価する(アナライズ)

このようなVoCプログラムを立ち上げ実行すると、すぐに貴重なデータが大量に集まります。この貴重なデータを最も有効に活用する方法はベンチマークです。各カスタマー(またはペルソナ)がどう互いに影響し合うか、時の経過と共にどう変化するかを観察するのです。

 

Gainsightツールのカスタマー360調査を利用すれば、カスタマー別のNPS調査結果を、現時点および傾向値の両視点から最速で視覚化できます。カスタマー360調査では、カスタマーサクセスマネジャーの平均NPSを職位別に表示できるよう設定されています。

 

 

カスタマー360調査には、個別の回答を詳しく調べるためのNPSに特化した専用タブが用意されています。これを使うと、カスタマーサクセスマネジャーは各回答者のNPSとコメントを見ることができます。

 

 

さらに、[NPS回答]タブの横にある[調査回答]タブをクリックすれば、前述した非定期でのフィードバック調査に関する回答を表示させることができます。ここでは、同プラットフォームを通じて送信されたすべての調査回答へアクセスすることができます。

 

 

VoCの詳細な成功事例に関しては、VoCコンテンツ紹介をご覧ください。

 

 

第4章 ”私たちの大口カスタマーは、実は多くの中小カスタマーの集合体なんです!” →リレーションシップ360を使いましょう

 

私たち大口カスタマーの中には、利害関係者や事業目標が全く違ったり、プロダクトの成長ステージが全く違うことさえある、複数の事業、地域、機能が包括されている場合があります。

 

アカウントという視点では、それぞれと個別に契約を結ぶのもアリでしょう。このようなカスタマーは、ハイタッチの業務フローが全く異なる複数カスタマーの集合体とも言え、それぞれ別のカスタマーサクセスマネジャーが担当することさえ検討すべきです。

 

このような異なる”関係性”をそれぞれ切り分けて追跡・管理するにはツールが必須です。そしてGainsightツールの「リレーションシップ360」機能がその役に立ちます。

 

例えば、あるカスタマーは、それぞれ利害関係者や期待成果が全く異なる2つの完全に別事業から構成されているとしましょう。その場合、リレーションシップ360機能が支援する、事業別に個別に追跡・管理したい最も重要な指標と機能の一部は次の通りです:

 

カスタマーサクセス計画
事業ごとに独自の目標と達成基準を設定します

 

タイムライン
どの会議/通話がどの事業で展開されたか混乱しないため、別々のタイムラインビューを設定します

 

プロダクト利用状況
カスタマー全体の使用率がとても高くても、ある1事業は苦労している可能性があります。彼らを健全な状態に戻すには、プロダクト利用状況を個別に確認することが必須です

 

スコアカード
あるスコアカード指標が、ある事業では他の事業より重要な場合があります。リレーションシップ機能を使い、その事業だけのスコアカード指標を表示したり、ある特定事業のスコアカードをカスタマイズしノイズを排除することもできます。

 

ツールの活用戦術的には、カスタマーとの「リレーションシップ」が設定されると、カスタマーサクセスマネジャーはカスタマー360の「リレーションシップ」セクションにアクセスし、アカウント内のさまざまなリレーションシップを表示することができます(以下「カード」と示されます)。

 

これらのカードには、次の概要情報を記載することをお勧めします:

・重要なコンタクト先 / スポンサー役員
・ライフサイクルステージ
・ARR
・カスタマーサクセスマネジャー
・ネットプロモータースコア

 

 

 

最後に、SFDCから連絡先を直接インポートして各リレーションシップの連絡先を設定することができます。こうすると、セットアップとナビゲートを簡単かつシームレスに実行できます。

 

 

第5章 ”大規模なチェンジマネジメントが必須です!” →ライフサイクルを運用しましょう

 

ハイタッチなカスタマーサクセスを実施する対象カスタマーのライフサイクルは、あなたが展開する方法論において非常に重要な意味を持ちます。

 

さて、ライフサイクルを通じスタマーに価値をもたらすプロセスとは一体どのようなものでしょう?

 

私たちが戦略クライアントのライフサイクルを描きだすやり方をご紹介します。

 

まずは丸1日かけてカスタマーライフサイクルの各フェーズをマッピングします。

 

具体的には、各自が「超重要な瞬間」をポストイットにメモして壁にペタペタ貼りつけます。その後、ライフサイクルを4フェーズに分け、各フェーズに1つ以上の「ステージ」を設定します。

 

フェーズ1 プリセールス

ステージ:販売

 

フェーズ2 オンボードディング

ステージ:歓迎、展開

 

フェーズ3 アダプション

ステージ:採用

 

フェーズ4 グロース

ステージ:契約の更新または拡大、実装その2

 

その後、同ライフサイクルの各ステージに関する詳細な「内部手順書(プレイブック)」を作ります。

 

手順書とは、「各ステージで発生する社内外の主要活動」、「各ステージでカスタマーに提供したい体験価値」、「各ステージの完了時点で達成してるべき成果」です。

 

 

詳細な手順書を作成した後、各ステージでキーとなる「カスタマー接点(タッチポイント)」もマッピングします。

 

このカスタマー接点には、公式のキックオフ会議、最初の経営幹部ミーティング、オンサイト設定、フル採用後のプロダクトフィードバックセッションまでのすべてが含まれます。

 

 

最後に、各ステージにおいてどのチームが社内に対し何の責任を持つのか(セールス、カスタマーサクセス、オンボード、テクニカルサクセスなど)を定義する「第3のマッピング」を作成します。

 

このプロセスでは、責任の所在を明確に定義するということ以上に、ライフサイクル全体を通じてカスタマーへ成功をもたらすのに必要な部門間協業の調整をすることが非常に重要です。

 

 

上述の内容は一例です。実際は、ご自身の会社のプロダクトやカスタマーのニーズに基づき自分たちでゼロから考える必要があります。

 

これが完成したら、次は各活動ごとにCTAを定義することが重要です(そしてそれは割と簡単です)。

 

私たちの例は以下です:
・プリセールスプロセスCTA
・営業引継ぎCTA
・幹部向け事業レビュー会議(EBR)CTA

 

これを定義しておけば、それらに基づいてライフサイクル上の重要イベントをよりしっかり管理するための追加プロセスも設定できます。

 

例えばEBRプロセスでは、EBR完了を追跡する、タイムライン内でEBR関連メモを記録する、EBR前後でフォローアップする電子メール支援機能を用いたダッシュボードを構築する、などがおススメです。

 

 

あるCTAが完了した時点で、カスタマーサクセスマネジャーはその重要イベントの完了を記録するマイルストーンを作成します。

 

私たちのツールのマイルストーン機能を使ってイベント完了を記録するのが、タイムラインを使うよりおススメです。なぜなら重要イベントとは、カスタマーとの間で通常1度または定期的な周期で発生するライフサイクルイベントだからです。

 

他の重要イベントの例は、セールスからポストセールスへの引継ぎ、EBRなどです。

 

(原文)


続きは「G-ガイド #06 ハイタッチなカスタマーサクセス(後編)」をぜひご覧ください!
– 第6章 ”サクセスマネジャーを失うと想像を絶する悲惨な状態を迎えます”
– 第7章 ”大口カスタマーは自社の事業成果に責任をもって欲しい”
– 第8章 ”あなたの上司は同じ失敗を繰り返したくありません”
– 第9章 ”拡大なければ縮小を意味ます”
– 第10章 ” 社内で猫を群れさせる(部門連携の)必要があります”

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