
「カスタマーマーケティング」です。
聞いたことありますか?
SaaStrの創業者、ジェイソン・レムキンさんが移動の車中で「次はカスタマーマーケティングだぁ!」と絶叫するのを始めて耳にしたとき、私はビビビっと来ました(笑)
先の投稿「カスタマーサクセス担当VP を採用すべきタイミング」で紹介した通り、ジェイソンさんは先見の明を持つソートリーダーです。彼が絶叫する様子から「いよいよ来るな!」と直感的に確信しました。
カスタマーサクセスな皆さんならもうお分かりですよね。カスタマーサクセスの成熟度が増すにつれ、カスタマーサクセス部門がハブとなった部門間連携が進み、結果、営業やマーケティング等もその役割や仕事の焦点が変わっていくのです。
そんな状況の今「これから最も進化すべきはマーケティングだ!」なのです。
詳細は以下に紹介している彼のメッセージを、動画(1分40秒)と合わせて、ぜひご覧ください!
先に私の勝手解釈を紹介させてもらうと、ジェイソンさんの言う「カスタマーマーケティング」は、ハブとして機能するくらい洗練されたカスタマーサクセスチームの存在が前提不可欠です。とすると、、、
カスタマーサクセス × マーケティング = カスタマーマーケティング
つまり、ハブ的なカスタマーサクセスとベタベタに連携している「進化版マーケティング」だと思うのです。
ということで、マーケティングな方々が今後どんどんカスタマーサクセスに興味をもってくださることを期待します!
SaaS事業者が最も上達すべきことの#1:「カスタマーマーケティング」
SaaS世界に訪れる次の波(ネクスト・フロンティア)は「カスタマーマーケティング」です。私たちSaaS事業者はカスタマーマーケティングにもっともっと力を入れて上達しなければなりません。
インターネット上でもまだそれほど多く語られていない「カスタマーマーケティング」。
一体、それは何か?
カスタマーマーケティングとは「カスタマーを獲得した ”後” に彼らに対して行うマーケティング活動のすべて」です。
私たち SaaS事業のカスタマージャーニーを思い出してください。新規カスタマーを見つけ契約してもらうのに数ヵ月かけますが、現実はその後に5〜10年の長いジャーニーが続きます。
一方、実際にしていることは何か?
私たちは、営業活動や営業チームに 膨大なエネルギーを投入し、見込み客(リード)創出やリードのファナルマネジメントに膨大なエネルギーを投入し、Intercom(訳者注:リードを発見・特定・育成して契約客へコンバージョンするためのカスタマーメッセージングプラットフォーム )や HubSpot(訳者注:CMS、ブログ管理、Eメール配信、SNS運用、アクセス解析等のツールが統合されインバウンドマーケティングに最適化されたソフトウェア)を駆使し、ようやく契約をクローズします。
そうやって数か月間、膨大なエネルギーを投入したその後はどうなるのか?
そう、マーケティングはさーっと離れていきます。そしてそれは大きな間違いです!
私たちは今や、カスタマーサクセスを推進する優秀なチームを社内に抱えています。カスタマーサクセスの重要性を誰もが良く理解し、日々の仕事に取り入れています。
私たちは今や、ACV(新規契約金額)のたった5?10%のコストで既存カスタマーを維持するために何をすべきか理解し、具体的な方法・スキルを身に着けました。(訳者注:詳細はリテンションコスト分析に関する記事「未上場SaaS企業調査 2017 結果 (1) リテンションの現状」を参照ください)
一方、既存カスタマーに対して一体マーケティングは何をしているのか?
新規のリード獲得のためではなく、既存カスタマー向けのドリップマーケティング(訳者注:既存カスタマーに対し段階的かつほぼ自動的にコミュニケーションを取っていくマーケティング手法)や、既存カスタマー向けのウェブセミナーや、既存カスタマー向けのカンファレンスに費やす予算はどれくらいでしょう?
マーケティング部門のうち、既存カスタマー向けのマーケティングを専任で担当する人は何人いるでしょう?
答えは通常「十分割けていない」であり、たいてい目指すべき定量目標さえないでしょう。
それこそが大きな問題です!
考えてみてください。
例えば、収益の10%をカスタマーマーケティングに投入するとしましょう。他の予算からひっぱってこなければなりませんが、とにかく大きな額です。
しかしそれでカスタマーマーケティングをしっかり実行すれば、シート数をどれぐらい増やせるでしょう? アップセルがどれぐらい増えるでしょう? 口コミや紹介をしてくれる既存カスタマーのネットワークがどれくらい強固になるでしょう?
既存カスタマーの口コミネットワークを育てて大きくするのに便利なプロダクト、例えば Influitiveなど最新のプロダクトが既に市場にあります。
しかしそういうプロダクトを、一体誰が戦略的に活用しているのでしょう? 誰がそのための予算をもっているでしょう? 誰がKPIに基づいてそれを運用しているでしょう? ー 残念ながら私たちの答えは「充分できていない」です。
繰り返します。
カスタマーサクセスの次にくる大波は「カスタマーマーケティング」です!