カスタマーサクセスのレベルを科学的に上げる方法:「エレメンツ」

カスタマーサクセスの世界最大イベントPulse 2018 の開幕キーノートで、Gainsight社のチーフカスタマーオフィサー(CCO)アリソン・ピケンズさんがこの「エレメンツ」を初公開するプレゼンを聞いた時、私はとってもワクワクしたのを覚えています。

 

その「エレメンツ」の内容を、アリソンさん自身が子供時代の話しを織り交ぜながら丁寧に説明する記事を書かれているのでご紹介します。

 

全16個ある各エレメントは1つ1つが大変奥深く、この記事ですべてを理解するのは不可能です。本記事は、まず「エレメンツ」とうい考え方、意義、目的など全体感を理解するのに最適なエントリー記事です。

 

今後、エレメンツ関連の記事を随時ご紹介していきます。本記事は、それら詳細の記事を読んで頂く際に前提として理解していた方がよい内容ですので、ぜひ最後までお楽しみください。

 

余談ですが、私が今こうしてGainsight社の豊富な資料を日本語で紹介できているのは、実はアリソンさんのお陰です。

 

Allison Pickens

Customer Success Thought Leader & CCO at Gainsight

 

偶然、私がアリソンさんと共通の前職だったご縁から、彼女の強いリーダーシップで同社の資料利用の他、様々なサポートを快く提案・提供してくださる関係に至っています。この記事で10歳の頃の彼女を知り(私も女子校でした)、ますます親近感を覚えました!

 

注:Gainsight社の許可を頂き原文の和訳を紹介します。


 

Gainsight エレメンツ:カスタマーサクセスを科学する

 

私が10歳だった時の話をさせてください

 

私は超シャイな女の子でした。

 

成績はA +の平均でしたが、先生は「お嬢さんは、何事にも積極的に参加するタイプではありません」と私の親に言いました。私は陸上競技がとても得意でしたが、知らない人と出会わなければならないサッカーキャンプは緊張するので行きたくありませんでした。

 

凄く仲良しな友だちグループに入っていましたが、私はあまり本音を伝えませんでした。なので彼女たちと一緒に遊んでいる時、私が夢のようなことを口にするとみんな驚くことが多かったです。私は仲良しの友だちから常に心配される存在で、そして周囲の人から「アリソンはいい人よ」と言われる存在でした。

 

でも私はあまり気分良くありませんでした。自分は何かに閉じこもっていて、自分に対して正直でないなと感じていました。大切なお友だちや周囲の人の役に立ててもいませんでした。

 

私が小学4年生の時、親が成績表を見てから状況は一変しました。「参加する」を除く全項目の得点が高かったのです。親は、私がもっと貢献することに積極的になるべきだと考え、新しい学校(女子校でした)を試しに見学するよう勧めました。

 

女子校の一日体験訪問から家に戻った私は言いました。

 

「ママ、あの学校の女の子たち、凄く意地悪なの。」
「何があったの?」
「凄く大きな声で、ずーっと話してるの。怖かったわ。」
「それ、意地悪とは違うわね。彼女たちは、ただ強いのよ。”いい人” は同時に “強い人” にもなれるのよ。」

 

母のその一言、「”いい人” は同時に “強い人” にもなれるのよ。」が私の人生を変えました

 

その後の5年間に、私は人生最大のジャーニーを経験しました。騒々しくて、主張が強くて、とっても愉快な学校のお友だちは、なんと私のロールモデルになったのです。彼らの真似をすることで、私は全米優良ディベート大会でいくつも受賞しました。そのディベート大会は、大声でパブリックスピーチすることを奨励する組織です。さらにラクロスチームのキャプテンになり、チームを動機づけるスピーチを何度もしました。陸上競技連合協会と一緒にダンスの振り付けを考え、自ら主役ダンサーになることを志願しました。学生全員の前で踊るので凄く恥ずかしかったけれど、でも凄く嬉しくて、とても楽しい経験でした。

 

今の私をよく知る人は、私が昔は超シャイだったと聞くと驚きます。みな私のことを、外向的な人、信念の主張者、パーティー企画好きな人と思っています。さらに、一見非現実的だけど挑発的な未知のことを追求する人とも思われています。

 

今でも私は「いい人」と言われます。でも必ず「そして、勇敢な人」と付け足されます。

 

カスタマーにとって「いい人」

 

私がこの話を紹介したのは、カスタマーから「いい人」と言われようと努力しているカスタマーサクセスマネジャーさんが本当に大勢いらっしゃるからです。

 

彼らはこんな個性を持とうとしています:
・聞き上手
・いつも親身
・フィードバックを受け入れる
・周囲に伝染するほどポジティブオーラがある

 

はっきりいいます。このような個性を求めるのは大問題です。なぜなら、「いい人」は次のようなカスタマージャーニーを招くからです。

 

・”あなたのチームの人たちが本当に大好きなので、私はあなたのプロダクトを購入しました”

 

・”彼らは私に『そのプロダクトで何を実現したいですか?』と聞きました”

 

・”私は『XYZを実現したいです』と伝えました。でも正直言って、それが正しいことかどうかは確信ありませんでした”

 

・”でもチームの皆さんはそれ以上、質問したり他の可能性を議論したりしようとしませんでした”

 

・”更に聞かれ続けました『次に何をしたいですか?』と。答えていると正しく進捗している気分でした”

 

・”でも、実は私たち、プロダクトからまだ価値を得ていないんです”

 

・”本当は、皆さんが私たちに何をすべきか教えてくれることを期待しました。皆さんは素晴らしいチームです。皆さんのお客様の中で最も成功した事例を参考にして、そのように私たちもあなたのプロダクトを使いたいと思っていました”

 

・”現実は、何もない状態から着手したので、本当にゼロから構築する修行をしているように感じました。うちのIT部門からは、そんなことできないとも言われました。”

 

・”うちのCFOは、コスト削減で私たちの息の根を閉めようとしています。プロダクトから価値が得られない以上、私たちはもう予算を死守できません”

 

・”でも皆さんのせいではありませんよ。あなたのチームの人たちは本当に素晴らしい、いい人たちです”

 

これはチャーンしようとしたカスタマーの悲惨な本音の実話です。あなたのチームはあまりにも「いい人」過ぎました。私はカスタマーから痛みを吐露されるこのような会話を何度も経験しました。Gainsight社はチャーンがゼロです!と言えたらどんなにいいでしょう。現実は、チャーンがゼロなんてことは起こりえません。

 

仮に、あなたのチームが勇敢な人たちばかりだとしましょう。みな「ハンガー・ゲーム(Hunger Games)」のカティスやピエタのように勇敢です。カスタマーに何をすべきか勇敢に伝える訓練を受けていて、「解決する人(Prescriptive)」になることを目指しています。

 

でももしかしたら、カスタマーに何を伝えるべきか確信が持てない時があるかもしれません。自分の意見が正しいということを証明するための視点やフレームワークが必要だと感じているかもしれません。Gainsight社は問題をどう解決するのか?を議論する際の拠り所となる視点です。

 

Gainsight社のソリューションは想像以上に柔軟なプラットフォームです。カスタマーサクセスのあらゆるワークフローを構築可能なところが非常に優れた特徴です。しかし、これも時に課題です。あなたのチームに価値のないワークフローも構築できてしまうからです。

 

そこで私たちはカスタマーサクセス「エレメンツ」を開発しました。その内容をようやく皆さんに公表できることを大変嬉しく思います。

 

「エレメンツ」は Gainsight社のソリューションです

 

ソリューションとはどういう意味でしょう? Gainsight社のソリューションは、優れたプラットフォームです。でも一般的にカスタマーは、プラットフォームの機能1つひとつにはあまり関心がありません。

 

彼らの最大の関心は、自分たちが解決したい事業上の課題にあります。そこで、彼らが抱える事業上の課題と、それを解決するGainsightプラットフォームの機能とをマッチングさせる必要があります。

 

「エレメンツ」を構成する1つひとつの要素は、「人」「プロセス」「Gainsightプラットフォームの各機能」をどう組み合わせれば、カスタマーの事業課題を解決できるかを紐解くための処方箋です

 

「エレメンツ」には、私たちが過去5年以上にわたり、何百社ものカスタマーと共に何度も試行錯誤してきたノウハウが凝縮されています。

 

「エレメンツ」は、物事を見通す際の拠り所となる、ある1つの視点(ポイント・オブ・ビュー)です。

 

あなたがカスタマーの立場なら大いに期待してください。私たちは引き続き、皆さんの課題に耳を傾け、目標について学び、重要なポイントは何なのかを正しく理解します。でも万一、皆さんが間違った方角に向かっていると思ったら、私たちは「間違っている」とはっきり伝え、正しい方向へ全力でリードします。すべて、皆さんのチームが大成功を収めるためにそうするのです。

 

いま私はこの「エレメンツ」を紹介することにこれ以上ないほど興奮しています。理由は次の通りです。

 

カスタマーサクセスの成熟度曲線(マチュリティカーブ)

 

まずカスタマーサクセスの成熟度曲線(マチュリティカーブ)についてお話しましょう。私たちはカスタマー各社のカスタマーサクセス成熟度を4段階に分類しています:

 

 

自明ですが、Gainsight社のゴールは、カスタマーの皆さんがステージを1つ1つ上がっていくのをお手伝いすることです。

 

基本的にカスタマーは、最初の「受け身(Reactive)」ステージ、すなわちカスタマーサクセスが「火消し役」な状態の時点で相談にいらっしゃいます。その場合、私たちはカスタマーが保有するデータを幅広い視点で統合し活用できる状態を開発し、データで検出された信号に基づいて行動を起こせる状態の「分析&行動(Insights&Actions)」ステージへ進むのを手伝います。

 

このステージに到達すると、サクセスチームの皆さんは単にデータに反応するだけでは不十分だと感じます。もっと、カスタマーの成果の実現が加速するよう積極的に(そして解決する人的に)行動したいと感じ、次の「成果(Outcomes)」ステージへ向かいます。

 

最終的に、カスタマーサクセス成熟度の頂点である「全社一丸(Transform)」ステージを目指します。カスタマー中心主義の企業文化および事業体制づくりが完成し、会社全体が生まれ変わった状態です。カスタマーサクセスは、カスタマーとの関係性を左右するあらゆる部門、すなわちサービス、サポート、プロダクト、ファイナンスなど全チームを巻き込みながら、ハブとなって行動しています。

 

「エレメンツ」の周期表

 

では一体、カスタマーが成熟度のステージを上がっていくのをどう手助けするのでしょうか? 実は「エレメンツ」は、あるステージから次のステージへ上がるための階段の1つ1つに相当します。

 

繰り返します。

 

「エレメンツ」はソリューションであり、「人」「プロセス」「Gainsightプラットフォームの各機能」をどう組み合わせれば、カスタマーの事業課題を解決できるかを紐解くための処方箋です。

 

下の図はカスタマーサクセス「エレメンツ」の周期表です。

 

同表の上部ヘッダーは成熟度曲線の最後の3ステージです。なお、「受け身(Reactive)」ステージはそこが出発点なため、受け身ステージになるためのエレメンツはありません。

 

 

「受け身(Reactive)」ステージにいるカスタマーは「分析&行動(Insights&Actions)」ステージを目指して努力します。「分析&行動(Insights&Actions)」ステージの全エレメンツを実行できるようになったら、次は「成果(Outcomes)」ステージを目指して努力し、最後は「全社一丸(Transform)」ステージを目指します。

 

分析&行動(Insights&Actions)ステージ

カスタマーのデータを収集・分析し、データに基づいて行動することに重点が置かれます。

 

たとえば、エクスペリエンスヘルス(CX)エレメントは、企業内のあらゆるカスタマー接点の状態を示唆するデータに基づきカスタマーとの関係の健全度を見える化し、その健全度に関する情報に基づいて各カスタマーをフォローする行動をとれることです。

 

 

成果(Outcomes)ステージ

複数の部門とカスタマーサクセス部門とが緊密に協業・連携できることが必須です。

 

たとえば、リニューアルマネジメント(RM)エレメントは、カスタマーサクセスマネジャーとアカウントマネージャーが二人三脚できる関係にあり、連携しながら契約更新プロセスを常にスムーズに進め、情報に基づき更新の見通しを常に予測できることです。

 

タッチポイント(TT)エレメントは、カスタマーサクセスのオペレーション責任者またはテックタッチ責任者がカスタマーサクセスマネジャーを補完し、自動化をフル活用してカスタマージャーニー上のあらゆる接点におけるカスタマーとのやり取りをスケールさせられることです。

 

アドボケイトエンゲージメント(AE)エレメントは、マーケティング部門のリーダーが、カスタマーサクセスチームがもたらすパワフルなカスタマーの成果を、参照、個別紹介、事例研究、「お客様の声」紹介などの口コミ・推薦活動へと転換できることです。

 

 

全社一丸(Transform)ステージ

カスタマーが成果を達成するのを全力で手助けするために、会社全体の隅々で幅広いコラボレーションの輪が回せていることが必須です。

 

たとえば、サービスエクスペリエンス(SE)エレメントでは、プロフェッショナルサービスチームが、自分たちのチャージ度合いやPL目標だけに気を配るのではなく、カスタマーとのやり取りを通じ最大限の成果やカスタマー体験を引き出すことを目的と認識し動機づけられて動けることです。

 

プロダクトサクセス(PR)エレメントでは、サクセスチームとプロダクトチームが協力し、カスタマーからのプロダクト強化要請を適切に優先順位付けることで、プロダクトを最強なものへと磨きこめることです。

 

 

周期表にあるすべてのエレメンツを実装する必要はありません。自社の目標に照らし優先順位を付けてください。また、全社一丸(Transform)ステージの全エレメンツを実装する必要のないチームもあります。

 

一般的に左から順に取り組み、徐々に右へ進むことをお勧めします。その理由を以降で説明します。

 

先例に基づく最適機能目標

 

全てのエレメントは、Gainsightプラットフォームの各機能を組み合わせることで実行可能です。

 

たとえば、エクスペリエンスヘルス(CX)エレメントに関しては、「Survey」機能を使うことでデータを収集でき、「Scorecard Measures」機能を使うことで各データの意味を表示できるので、カスタマーサクセスマネジャーはそれらデータに基づいて必要な行動をとることができ、さらに「Dashboards」機能を使うことで自らの行動の効果を検証できます。

 

リニューアルマネジメント(RM)エレメントに関しては、「Call to Action」機能と「PlayBook」機能を使うことでアカウントマネージャーが適切なタイミングでカスタマーに必要書類を送付でき、「Scorecard Measures」機能を使うことで更新の可能性を見通すことができ、「Dashboard」機能を使うことで更新を予測することができます。

 

このように全エレメントごとにGainsightプラットフォームのどの機能をどう構成・設定すれば良いかが、私たちの経験したベストプラクティスに基づいて明確に特定されています。

 

私たちGainsight社は、私たちのカスタマーが掲げる目標をすべての拠り所として考え、行動する会社です。従って、私たちは自社プロダクトの機能をその目的の「サーバント(奉仕者)」と位置づけて開発します。その理由は次のとおりです。

 

カスタマーの皆さんは「カスタマーサクセスという名の自分の家をリフォームしたい」と願って私たちを訪れます。Pinterestの写真や、豪華なビーチハウスをたくさん下見しています。 最先端のキッチン設備や、モダンな家具付きのリビングルームが欲しいと思ってやってきます。

 

Gainsight社のCCOである私は、どんなハンマー、どんなドライバー、どんなドリルを使うかは大して問題にしません。なぜなら、カスタマーはGainsight社にゼネコンの役割を期待していて、詳細はお任せしたいからです。なぜなら、Gainsight社なら利用可能な中で最良のツールを使ってくれるだろうと信じているからです。なぜなら、彼ら社内のGainsightツール管理者らがそのツールのとりこになり、そのツールを信頼して運用するようにしてくれるものと信じているからです。

 

お分かりですね。CCOにとって最も重要なのは、使うツールそのものではなく、ツールがもたらす成果、即ち「カスタマーサクセスという名の家のリフォームを完成させる」ことなのです。

 

このことを常に念頭において、私たちは目標、即ち重要エレメンツを設定します。その上で、Gainsightプラットフォームの各機能がその重要エレメンツの実現にどう役立つかを考え説明するのです。

 

「エレメンツ」の背後にある論より証拠

 

私たちはこの「エレメンツ」を数多くのカスタマーの皆さんと切磋琢磨した経験に基づいて設計しました。それでもまだ、このエレメンツが本当に効果的だということを裏付ける証拠が必要だと感じました。

 

そこで、今年2月に開催したCCOサミットに参加された様々な企業のカスタマーサクセスリーダー100名にアンケート調査への協力をお願いしました。回答者の属性は以下の通りです:

 

 

まず、エレメントが紐づく各目標の進捗状況(選択肢:「存在しない」、「手作業で推進中」、「半自動で推進中」、「最適化されるレベルで推進中」)について質問しました。

 

 

その結果を、以下のように色分けして見える化しました。

 

 

その後、グロスリテンション率とネットリテンション率について質問しました。

 

回答者をカスタマーサクセス成熟度別に分類した上で結果を集計したところ、カスタマーサクセス成熟度が増すにつれ、グロスおよびネットのリテンション率が大幅に増加することが実証されました。

 

 

さらに「エレメント」別に分析したところ、グロスおよびネットリテンションと強い正の相関関係を示すものがいくつかありました。

 

たとえば、アダプションマネジメント(Am)エレメントは、「最適化されるレベルで推進中」の場合、「存在しない」に比べグロスリテンションが平均9%増加する正の相関関係が観察されました。

グロスリテンション

 

また、カスタマーサクセスプランニング(Sp)エレメントのレベルアップは、ネットリテンションが29%増加する正の相関関係が観察されました。

ネットリテンション

 

 

「エレメンツ」は、カスタマーサクセスの基本指標であるリテンション率は当然のこと、その他の指標に対しても強力な成果をあげています。

 

ServiceTitan社のCSオペレーションズマネジャー、ブルターニュ・ハベル氏は、社内外でアダプションマネジメント(AM)エレメントに焦点を当てることでNPSが28ポイント増加したと言います:

 

“アダプションの傾向値をトラッキングできるようになり、あらゆるアダプション上の課題を、大問題になる前に解決できるようになりました。アダプションが改善し、同時にカスタマーの幸福度も改善し、結果として私たちは数多くのカスタマーから頼れるパートナーと認められるようになりました”

 

Jamf社のカスタマーサクセス担当シニアマネジャー、ベン・マイケル氏は、リニューアルマネジメント(RM)エレメントに取り組んだことで契約更新プロセスを大幅にスケールさせるのに役立ったと言います:

 

オンタイムリニューアル件数が10%増え、営業1人当たりのリニューアル件数が以前に比べ50%増えました”

 

Gainsight社でも、アウトカムヘルス(CO)エレメント実装の一環として、ROIスコアカードを使って同エレメンツが私たちのカスタマーへもたらすインパクトをトラッキングする予定です。

 

ちなみに、各「エレメント」はそのROIを測定するための標準指標が設定されています。

 

Gainsight社内での「エレメンツ」活用法

 

「エレメンツ」周期表は、実は販売後だけに適用される概念ではありません。私たちは「エレメンツ」を会社全体で活用することで、カスタマーが終始一貫した体験を得られるように努めています。即ち、Gainsight社を知った時、ウェブサイトを訪れた時、営業と話した時、プロダクトを実装した時にも当然適用されます。

 

あなたのカスタマーによっては、あなたは自社独自のカスタマーサクセス成熟度曲線と “周期表” を開発してサービス提供したいと思うかもしれません。その場合は、他の主要部門とタッグを組んで全社的取り組みを始動し、このような概念が機能部門を超えて適用可能かどうかを検討してみてください。

 

参考まで、Gainsight社の全社会議で私たちが各部門に対し「エレメンツ」のメリットを説明した時の資料をご紹介します:

 

 

 

勇敢であるということ

 

Gainsight社のエレメンツ探求の旅はまだ終わりを迎えていません。まだ100%完成した処方箋ではありません。私たちは今、ようやく”視点(ポイント・オブ・ビュー)” を持つことができました。次はそれを周囲へ伝えることが必要で、それには多少の勇気が必要そうです。

 

私にとって勇敢であるということは、自分は完璧でないと考えるあらゆる理由を心の中に閉じ込めることを意味します。

 

私たちは小さな子供の時以来、自尊心や自信を打ち砕く否定的な発言を全方位的に受け取ってきました。

 

たとえば:
・良い女の子は怒ってはダメ
・強い男の子は芸術肌ではいけない
・泣くのは弱い証拠
・皆と同じ列に並びなさい
・スタートアップの仕事はリスクが大きすぎる
・あなたの歳なら家を所有すべきだ
・あなたの歳ならもっとお金を稼いでいるべきだ
・子供たちともっと多くの時間を過ごすべきだ
・まだまだ足りない

 

また、権力を行使すること自体 ーたとえそれが勇敢に行われたとしてもー 本質的に悪いことだ、という発言も耳にします。有名人の失脚にまつわり「権力が腐敗した」様子を耳にします。私が情熱的に支持するブロックチェーンの動向でさえ、それがどの国の話であろうと電力をオフにする必要性が議論されています。

 

私は、権力は善悪にも善意にも用いられ得ると思っています。 私たちGainsightチームが少しでも勇敢でいられれば、カスタマーのためにもっと良いものを作り出すことができると私は信じています。同様に、皆さんの事業もカスタマーにとってより良いものを作り出すことができると信じています。

 

さあ今年、あなたはどう勇敢な行動をとりますか?

 

補足

・「エレメンツ」詳細はこちらを参照ください

 

(原文)

 

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